2017
5/18
【酸蝕歯って何?】知らずしらずに歯が溶ける、酸蝕歯を知ろう!
酸蝕歯ってどんな病気?
皆さんの身近な歯の病気といえば、『虫歯』です。幼い頃から、私たちはずっと『虫歯』と闘って来ているわけです。“お菓子ばかり食べていると虫歯になるわよ!やめなさい!”とお母さんに怒られた経験は無いですか?誰にでも、幼心に体験した事のある、母からのお小言だと思います。
この、最も身近な歯の病気である『虫歯』。まずは、歯が溶け始める事から始まります。
以前のブログで、私たちの歯の基本的な構造についてお話いたしました。(【歯を無駄に削らない!】ファイバーコアポスト(直説法)について)私たちの歯の一番上の層は、エナメル質という硬い組織でできています。その中には、比較的柔らかい象牙質。虫歯は、治療せずに放おっておくと、エナメル質から象牙質へと浸潤していく歯の病気です。
そして、虫歯の初期段階は、エナメル質が食事中の『酸』によって溶かされてしまう事から始まります。そして、虫歯と同じように問題なのが「酸蝕歯(さんしょくし)」です。
歯が透けたような状態が起きてしまうので事ですが、この状態は「酸蝕歯(さんしょくし)」と専門用語で呼ばれています。
今回のブログでは、この「酸蝕歯(さんしょくし)」についてご説明いたします。
まずは、初期段階では、ちょっとした知覚過敏(熱いものや冷たいものがしみる)、歯の表面の部分が丸みを帯びて見える、歯が黄ばんで見えるなどという、軽度な初期症状から「酸蝕歯(さんしょくし)」は始まります。痛みや不快感が無ければ、だいたいの人は放置するでしょう。よほど歯に敏感な人でなければ、歯医者さんに行こうなどとは思わないはずです。
そして、しだいに知覚過敏が激しくなる、歯が茶色く見える、 小さな凹みができる等の中期症状に移行していきます。
これらの症状がある場合、酸蝕歯の可能性が高いでしょう。このまま放置しておくと、歯がどんどん小さくなってしまいますので注意が必要です。
酸で歯は溶ける
このように、酸性度の高い食べ物を過剰に摂取する事により、歯の表面が溶けてしまった歯を「酸蝕歯」といいます。(進行すると冷たいものが歯にしみる知覚過敏や痛みを引き起こし、さらに悪化すると歯の表面が溶けてしまいます。)
そして、これらの原因となるのが、酸性度の高い飲食物です。
酸性度の高い飲食物とは、みなさんの周りにある炭酸飲料や柑橘類、栄養ドリンクなどです。あまり気にせずこういうものを飲んだり食べたりしていませんか?意識せずとも、これらの酸性度の高い食品は、知らず知らずのうちに歯にダメージを与えていくのです。
そして、最も怖いのは、そういったことを全く意識していないということです。
なんとなくでいいので、頭のどこかに、この「酸蝕歯(さんしょくし)」について認識を持っていれば、少しずつ控えるなどの意識が働くでしょう。そのためにも、私たちのような専門家が正確に必要な情報を発信しなければならないと考えています。
それでは、下記の写真を見て下さい。
長年にわたり、甘い炭酸飲料を取りつづけて歯が溶けてしまったお口の中です。
上に、歯ぎしりによる摩耗が加わっています。そうなったことで、大幅に歯が溶けてしまっているのがよくわかると思います。明らかに、上の歯並びとは異なる形態を保っています。皆さんのお口の中は大丈夫でしょうか?
このような事が気がかりになっている方は、ぜひ、当院にご相談ください。早めに「酸蝕歯(さんしょくし)」の治療を行うことが重要です。
そして、どうしても甘いものを摂取してしまう人は、今後は少し気をつけるようにしていただきたいと思います。
例えば、酸性度の高い食べ物を食べると、当然ですが口腔内の状況は酸性に傾きます。なので、柑橘類やお酢、スポーツドリンク、ワインなど酸性度の高い飲食物を頻繁に摂取する方は、その後はお茶や水ですすぐ習慣をつけてください。お水で複数回お口をすすぐだけでも、大分「酸蝕歯(さんしょくし)」への影響を減らすことができます。
また、歯磨き粉を変えてみるのも良いでしょう。例えば、口腔内のPH(ペーハー)を中性にする歯磨き粉を使用するなども良いかもしれません。こういう歯磨き粉は、酸に傾いた状態から中性に戻す役割を担いますので便利です。
特に、この歯磨き粉は口腔内のPH(ペーハー)を中性に戻してくれる優れものの一品だと評判がいいです。
正しい知識を持つことで「酸蝕歯(さんしょくし)」のリスクを無くすことは十分可能となります。ぜひ、ご検討してみてください。
そして最後に、「酸蝕歯(さんしょくし)」を進行させないためには、早期発見・早期治療にまさるものはありません。
まずは、「酸蝕歯(さんしょくし)」の初期症状を見逃さないように心がけ、毎日ご自身のお口の中を、よく観察して下さい。特に、炭酸飲料を多く飲んでしまう生活習慣にある人は、お口の中もご注意ください。そして、やはり、定期的に歯科医院にてお口の中の健康チェックをしてもらうことが大切です。歯の定期検診で、早めに発見できれば、その後の進行を防ぐような生活習慣に関する指導をもらえると思います。繰り返しになりますが、できるだけ定期的に歯科医院にてお口のチェックをしてもらいましょう!
早めの対策を施せば、酸蝕歯の進行を十分防ぐことができますので、今日から取り組んで下さい。