2018
10/01
「まだ間に合う!」キシリトールで虫歯予防
こんにちは!歯科衛生士の町田です♪
10月に入り、徐々に肌寒い日が多くなってきましたね。季節の変わり目ですので、体調にはくれぐれもお気をつけ下さいね。
さてみなさん、虫歯にならないために何かされていることはありますか?実は虫歯予防には、5つのポイントがあると言われています。
1つ目は毎日の歯磨き!歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを使って虫歯の原因であるプラークを落とします。
2つ目は定期検診!歯磨きで落としきれなかったプラークや、固まってしまった歯石を私たち歯科衛生士がクリーニングをします。またお口の中の状態もチェックします。
3つ目はフッ素入り歯磨き粉の使用!フッ素は歯を強くするので、虫歯になりにくくなります。
4つ目は正しい食生活!ダラダラ食いをやめて、糖をお口の中に入れている時間を短くします。
そして5つ目はキシリトール。キシリトールは虫歯の原因菌を作らせない、かつ減らす働きがあり、虫歯のリスクを下げる効果があるんですね。
この“キシリトール”ですが、数年前からキシリトール入りのガムやタブレットがたくさん売られていて、テレビやCMなどで、キシリトールが虫歯予防にいいということは、皆さん一度は聞いたことがあるかと思います。
ただ、キシリトールが一体何なのか?何で出来ていて、なぜ虫歯の予防につながるのか、詳しくは知らない方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回はキシリトールについて、分かりやすくお話していきます☆
1、キシリトールってなに??
キシリトールは天然の甘味料であり、糖アルコールの一種です。私たちが食べている野菜や果物にも含まれ、例えば、カリフラワーやイチゴ、プラムにも多く含まれている身近な素材です。ガムやタブレットなどに含まれるキシリトールは、白樺などの樹木や、とうもろこしの芯を加工して作られているものを使用しています。
またキシリトールは、全ての糖アルコールの中でも最も甘く、砂糖と同じ程度の甘みがありますが、カロリーはなんと砂糖の75%ほどと言われています。
2,なぜ虫歯にならないの??
①歯を溶かす「酸」を作らせない!
むし歯の原因となるミュータンス菌は、糖分を分解して、歯を溶かしてしまう「酸」を作り出します。しかし、ミュータンス菌はキシリトールを分解することが出来ないので、「酸」は全く作られません。ですが、ミュータンス菌はキシリトールをどんどん取り込むので、ミュータンス菌の働きが弱まっていきます。
この効果は一回のキシリトールの摂取では効果は期待できません。長期的にキシリトールを取り込むことで、ミュータンス菌の繁殖力が弱くなって虫歯のできにくい口腔内の状態になるのです。
②プラーク(歯垢)が剥がれやすくなる!
ミュータンス菌の活動が弱まると、プラークの量が減少します。さらにプラーク自体も粘りがなくなり、歯の表面から剥がれ落ちやすくなります。
③唾液の分泌を促進し、歯を丈夫にする!
キシリトールの清涼感のある甘味により味覚が刺激され、唾液の量が増えます。唾液の量が増えることは、お口の中をきれいに洗い流すだけでなく、唾液の成分により歯の再石灰化作用も促進され、歯を強くします。
3、こんなに役立つキシリトール
➀永久歯が生えてくる時
永久歯が生える1〜2年前からキシリトールを摂取すると、虫歯になるリスクが減少すると言われています。
②歯ぐきが下がっている状態
歯の根っこの部分はとても虫歯になりやすいです。キシリトールを取ることで、歯が丈夫になり、虫歯ができる割合が減るのです。
③矯正している
矯正中は、歯に装置がついて歯磨きしにくくなります。キシリトールはプラークを剥がれやすくするので、歯磨きを楽にしてくれます。
4,キシリトール製品を選ぶポイント
キシリトール製品にはガムやタブレットなど様々な製品があります。そこで、選ぶ際に知っておきたいポイントをお話します。
➀キシリトールの含まれている量が多い
甘味料の60%以上がキシリトールでないと、上記の効果がないと言われています。100%に近い数字であるほど効果的です☆ 他に、キシリトール以外の甘味料(マルチトール・ソルビトール・マンニトール)も虫歯の原因になりません。
②ショ糖(砂糖)が含まれていない
ショ糖が含まれていると、ミュータンス菌は「酸」を作り出し、虫歯を作り出してしまうことがあります。
③クエン酸などの「酸」が入っていない
歯を溶かしてしまうこともあるので、柑橘類などの香料が多く含まれる場合はよく注意してください。
ドラッグストアやスーパーなどで売っているキシリトールガムは、キシリトールが含まれている量が十分でない商品がほとんどです。
キシリトール100%の製品はもちろん歯科医院で買うことができますが、ネットや某大型量販店では売られていますので、虫歯予防に試してみたいという方は、ぜひ一度買ってみることをおすすめします☆
5,キシリトールの取り方と相乗効果
食後や間食のあとなど、回数を多くとることと、毎日続けて摂取することが効果に繋がります。甘味料としてキシリトール100%入りのガムなら、食後に1日3回3粒ずつがおススメです。
また、キシリトールはフッ素と一緒になることにより歯を硬くするなど、さらにパワーを発揮します。毎日の習慣に加えることで、虫歯予防をしっかりサポートしてくれるのがキシリトールなのです。
ここまで、キシリトールは虫歯予防があるという説明をしてきました。
虫歯の予防効果を発揮するためには、お口の中の状況に合わせて患者様お一人おひとりにあった、色々な予防法を組み合わせることが大切です♪
日々の歯磨きや、定期的な歯科検診に加え、この機会にキシリトールを取り入れてみてはいかがでしょうか☆