2017
5/19
【食いしばりに注意】気をつけたいお口の症状
知らず知らずのうちに感じているストレス
皆さんは、日頃からストレスを感じていますか?
常に、ストレスフルな人もいらっしゃれば、あまりストレスを感じない方もいらっしゃって、感じ方は人それぞれかと思います。ストレスを感じやすい方や感じにくい方、様々いらっしゃいますが、人間はある一定の生活を送る上で、全くストレスにさらされないで生きていくことは困難です。
そして、そのストレスに打ち勝つことのできるよう、私達には交感神経が働き、常に日常のストレスに抵抗しながら過ごしているのです。
そして実は、人は緊張したり過度なストレスにさらされた際に、気がつくと顎に力がはいってしまい食いしばっている事が多くあることをご存知でしょうか?歯というものは、食事時に食べ物を咀嚼するだけでなく、ものを持ち上げたりするときの噛みしめる機能とも関係しています。
歯がちゃんとしていないと、力が入らなかったりなど、諸々の問題が生じてくるほどです。
よって、重いものを持ち上げたりスポーツなどをしている際は、歯と歯を噛みしめることによって力が入りますので、その度毎に顎と歯に負担がかかります。もちろん、一時的なものでしたら生理的な反応ですので問題は無いのですが、これが1日のうちに何時間も継続してしまうと、やはり問題です。
このお口の症状を、一般的に『食いしばり』と言います。『食いしばり』とは、専門用語でクレンチング症候群ともいわれ、上下の歯で強く噛み合わせてしまう症状の事です。
この『食いしばり』の原因としては、上記でお話したストレスや過緊張状態に加え、噛み合わせが良くない部分があると、きちんと噛む事ができず、噛む力を強くしようすることで食いしばりの力が強くなる事があります。
今回のブログでは、この『食いしばり』についてご説明いたします。
食いしばりで起こる諸症状
この『食いしばり』によって起こる諸症状は以下のとおりです。たかが『食いしばり』….と楽観視していると、後々、様々な症状に見舞われる事になりますので、早めに改善が必要になります。
・歯が割れる欠ける
・歯の摩耗
・歯がグラグラする
・歯の移動
・知覚過敏
・歯髄炎
・歯周病の悪化
・顎関節症
・口腔乾燥症
・頭痛や首・肩のこり
・表情筋への影響
食いしばりの改善
人間はリラックスしている時はどうしているのでしょうか?
実は、人はリラックスしている時は上の歯と下の歯が接触していないのが正しい状態です。今、ご自分の状態をチェックしてみはいかがでしょうか?普段の食事の時は、上下の歯と歯が接しているのは1日当たり20分程度と言われています。
それ以外の時間は、上と下の歯の感覚は、およそ1㎜程の隙間が開いた状態で保っています。
しかし、『食いしばり』の癖がある場合は、1日に1時間〜2時間程の長い時間、大きな力で上と下の歯を噛み合わせた状態にあると言われています。
無意識に食いしばっている方がいらっしゃるようでしたら、「悪習癖」といって、常に食いしばるのが習慣となってしまっている可能性があります。
例えば、常に食いしばりの力がはいった状態が続くと、この写真のように歯が削れてしまいます。
この方の場合は、象牙質が露出して、しみる原因となりました。また審美的(見た目)な部分にも、問題が生じてきてしまいます。(歯が短く凸凹になってしまう)。
この『食いしばり』の解決策としては、普段から意識して、テレビ、パソコンや携帯などを見ている時にご自身が食いしばっていないかどうかのチェックを行うという事があげられます。
もしも、この時に、ご自身が食いしばっているようでしたら深呼吸をした上で、上下の歯が接触しないように意識してみて下さい。
この時、開けすぎるのもいけません。開けすぎると、それはそれで顎に負担がかかるからです。
ただし、一度習慣となってしまったものを治すのは本当に大変ですが、食いしばりが気になる方は、試していただくといいと思います。
最後に、この食いしばりですが、寝ているときにも起こりますので注意が必要です。しかし、寝ている間の食いしばり(俗にいう歯ぎしり)については、無意識下のものですので、いくら頑張って止めれるものではありません。
その場合には、下記のマウスピースを着用していただき、歯が削れたり、過度な力が加わらないように経過を見ていく必要があります。
歯科医院にて処方してもらえますので、一度、歯の検診をかねてご相談いただければと思います。
咬む力は体重以上になる時もあり、歯には普段の生活でも相当な負担がかかっています。これからも歯を大切にするためにも、食いしばりのクセがある方は少しづつなおしていく必要があります。