土曜日診療武蔵新城の歯医者|歯周病治療・歯周外科・審美治療
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2017

6/29

【初期歯周病治療】初期では何をするか

歯周病の進行

初期治療とはその言葉通り、歯周病治療においてまず初めに行う治療のことをさします。

歯周病とは、段階的に進行していく歯と歯ぐきの病気です。当然のごとく、早い段階で治療を開始すればするほど、完治しやすくなり、進行してしまえばしまうほど、完治が難しくなります。私たちは、常に歯周病と闘っている状態といっても過言では無いでしょう。歯周病にならないよう、日々のセルフケアを強化することはもちろんのこと、定期的な歯科医院でのメンテナンスも重要です。

それでは、まず最初に、歯周病の進行についておさらいしておきたいと思います。

主に、歯周病の重症度は4段階に分けられ説明されます。
超初期の段階は『軽い歯肉炎』の状態です。この段階では歯周ポケットの深さも2〜3mmと、それほど深くありません。少し歯ぐきに炎症を起こしている状態です。この段階で、歯科検診や歯のメンテナンスを受け、適切なブラッシング指導などをうけていけば、多くの方が改善の方向に向かうことでしょう。

ぜひ、早い段階で歯科医院にご相談においで頂ければと思います。

しかし、何もせずに放置しておくと、歯周病はどんどん進行していきます。次に『軽度歯周炎』になります。この段階では、少し歯槽骨が破壊されはじめます。歯槽骨とは、まさに屋台骨です。この頃になると歯周ポケットは3〜4mmと深くなっていきます。

その後は、『中度歯周炎』『重度歯周炎』と、どんどん歯周ポケットが深くなると共に、歯槽骨の破壊も進んでいきます。歯が自分の力で立っていられなくなると、ついには歯が抜けてしまうのです。

そして、やっかいなのが、初期の歯周病では、ほとんど自覚症状が無いという事です。自覚症状が無いので、歯医者さんに行こうとは思わないでしょう。しかし、歯周病は始まっています。

成人の8割が歯周病になっているというデータがありますので、特に自覚症状が無い方でも、長く歯科医院に受診していない方は、ぜひ一度歯科検診に訪れてチェックしてもらうことをお薦めいたします。

歯周病の初期治療とは。

それでは、ここからが歯周病の初期治療についてご説明いたします。初期治療というのは、上の進行過程で言えば、『歯肉炎』〜『軽度歯周炎』のレベルです。重症化すればするほど、より専門的な治療が必要になり、費用も治療時間もかかります。できるだけ初期で治療を開始すれば、コストも治療時間も短くてすみます。

初期の歯周病への対応は、第一段階として、“歯周基本検査”を行い歯周病がどれくらい進行しているかを把握します。“歯周基本検査”とは、こちらのページでも説明しておりますが、再度、本ブログにもまとめてみます。

まずは、下記のような歯周病の検査を行います。

  • 歯周ポケットの深さ
  • 出血がある部位
  • プラークの付着の程度
  • 歯の動揺

特に、痛みを伴う検査ではありませんので、ご安心ください。

そして、これらの検査結果をもとに、それぞれの患者様の歯周病の状況を分析し、今後の治療計画を立案します。患者様には、現在の状況を丁寧にご説明し、今後どのような事を行っていくかについて同意が得られるように関わります。

次に、第二段階です。初期治療の中心となるものですが、患者さんご自身の歯ブラシによる“プラークコントロール”の指導となります。

“プラークコントロール”とは、患者様個々の生活習慣をお聞きし、問題があれば問題の改善を提案し、できるだけ歯周病を進行させないような生活習慣に変えていただくようなご説明を行います。さらに、ご自身の手によって口腔内の歯垢(プラーク)確実に除去し、清潔な状態を持続できるようするための各種指導を行います。

各種指導の基本は歯磨き(ブラッシング)指導です。歯と歯の間の汚れや、奥歯など磨きにくい所もしっかりと磨けるようにするため、デンタルフロスや歯間ブラシを用いて、歯科衛生士によるブラッシング指導を行います。長年の癖や習慣で、それぞれが歯磨き(ブラッシング)の癖のようなものを持っています。当たり前に磨いているので、必ず同じところが磨き残しを起こしたりしています。そして、そこから虫歯や歯周病が始まっていきます。

こうした、歯磨き(ブラッシング)の癖を見越して、適切な歯磨き指導も、歯周病の初期治療の一つです。

また、デンタルフロスの使い方も同じです。これまでデンタルフロスを使った事がない人はもちろんのこと、日頃使っていても上手く使えていない場合には、それもアドバイスいたします。

そして、第三段階としては、縁上歯石(歯肉よりも上の歯石)をクリーニングによって取り除きます。これは、歯科衛生士が、スケーラーという特殊な器具を使い、丁寧に歯石を取り除きます。これも、歯周ポケットの検査と同じように、痛みなどは伴わない処置ですので安心してくだださい。むしろ、歯石が綺麗に取り除かれると、とても気持ちが良いでしょう。

さらに、並行して補綴物(詰め物・被せ物)が上手くいってない不良補綴物を除去し綺麗に詰めなおします。詰め物や被せ物が、きちんとあっていない場合には、どんなに磨いてもプラークが付着してしまうからです。根本的な問題を解決しない限り、歯周病は改善しないものです。

ここまでが歯周病の初期治療です。例えば、下の写真は歯周病の初期治療をした患者さんの、before afterです

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初診時(初期治療前)と初期治療後ですが、その差は歴然だと思います。歯についた汚れが綺麗になり、歯ぐきの腫れも落ち着いているのが分かります。歯についた汚れのみならず、歯ぐきの状態も良好にするのが歯周病の初期治療です。

特別な歯科治療を行わずとも、このような歯のクリーニングやプラークコントロールだけでも、お口の環境がガラッと変わることを強調したいと思います。

この患者様は、今後は患者さんと相談をしたうえで、外科処置、再生療法など患者さんにあった治療を進めていくこととなりました。是非、お早めに歯周病のご相談にいらして下さい。